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ブログ

時を刻む腕時計 2023(令和5)年 1月3日(火)

新しい年を迎え、とても感慨深い。

仕事のこと、娘や息子の新たな旅立ち。天国の夫もやっとほっとしているかな。

 

今、私の左腕で時を刻んでいるのは夫の時計。男性用だけど、最近は収まりが良くなった。

慣れてきたんだなと感じる。いつも正確に時を刻んでくれて嬉しい。

 

結婚してすぐに夫が気に入って購入した時計。1985年だから、37年前になる。いつだったか忘れたけれど、新しいものをプレゼントしようかと言ったことがあるが、お気に入りだからこれがいいんだと言い、結局そのままになった。

 

その時計は13年前の6月から夫の腕に戻ることなく、やがて電池を入れ替えても動かなくなった。2件の時計屋さんから、古くて修理も不可能だよと言われそのままになった。

 

昨年ふと目にした「小さな時計屋」という、かわいい時計屋さん。

わずかな期待を胸に恐る恐る、腕時計を見てもらった。メーカーに問い合わせ「アンティーク修理」があるらしいと分かったが、やはり無理なようで、こればかりは仕方がないと諦めた時だった。「修理してみますから、お時間くださいね」と言ってくれたのだ。

 

そこから待つこと2か月半。

夫の時計が戻ってきた。まるで夫が戻ってきたように言葉では表せないくらいに、嬉しかった。夫に「直ったんだよ!!すごいでしょ!!」

 

古くて部品もなく修理はできないと言われていたのに、息を吹き返した時計。

修理は、ただ壊れたものをもとに戻すだけではないのだ。時計の持つ物語を、夫の生きていた証を今に伝えてくれた。私と夫との時間をもう一度一緒に刻んでいける、これから生きていく勇気をもらえた。

 

思い出せば、その時計が来てからなんだか嬉しいことが続いている。

今年はもっと頑張れそうだよ。